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世界一周せきらら!?日記〜本編〜

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疲労困憊

香格裏拉から成都へ向けて弾丸移動を強行した。
麗江から成都へ24時間のスリーピングバスが出ていたがあまり良い噂が無いのと来た道を戻るのは面白くないので別ルートを考えた。 香格裏拉バスターミナルで挙枝花という場所までバスが出ていてそこから電車で成都に行ける事を教えてもらった。 こんな地の果てなのに英語が出来る子がいて非常に助かった。 しかし、これが正解だったのか間違いだったのか・・・。
午後5時香格裏拉発のバスは多少ぼろかったがスリーピングバスで道中の景色も良く軽快なスタートをきった。 しかし、真夜中になりそろそろ眠気も誘って来たので寝ようかと思ったが道がだんだん悪くなり振動が激しくなった。 まるでアスファルトを成らす機械を持ってるかのように何度も連続して頭がベッドから持ち上がり軽い脳震盪になるのではないか思うくらいだった。
寝れない。多少眠ってはいたようだが何度も何度も眼が覚める。 そのうち朝5時ごろバスは挙枝花のどこかのバス停についた。いや町ではなくハイウェイのどこかだった。
すると隣の子が挙枝花駅に行くならここでバスを降りろと教えてくれた。 隣の子は少し英語が出来たので旅の話や僕の行き先などを話していた。
それにしても暗闇の中「何もない道の上で降ろされても」と思っていたらある男の子が駅に行くので一緒にタクシーで行けという。 彼女はその男の子に僕の事情を説明してくれて彼は手招きで僕を誘ってくれた。そう、彼は全く英語が出来ないのだ。 タクシーとは贅沢な気がしたが自分が全くどこにいてるのかわからないので従うことにした。
待機していたタクシーに僕と彼、弟?と母親が乗り込んだ。 まぁ5分10分だと思っていたら快調に飛ばしてるにも関わらず結局20分程かかり35元という値段になった。 多少は覚悟していたがここではかなりの金額だ。折半だと思って20元を用意していたら男の子を連れた母親は家族ではないらしく1人10元だった。 ちょっとほっとした。
駅で切符を買おうと彼と窓口へ向かうと彼も成都へ行くらしい。 彼とともに行っても良かったが英語が出来ないので1人で寝台に乗ろうと思っていたが親切にもすでに彼が硬座を2人分買ってしまった。 一応、旅友がいることだし座席で我慢することにした。 前回21時間硬座移動も体験しているし気軽に考えていた。ちゃんとお金は払った。
電車の出発時間は15時27分。現在は朝の6時ごろ。さてどうしようかと思っていると彼がネット屋に行こうと誘ってくれた。 それはいい考えだと彼についていった。
もともと不安があったのだけど自分のパソコンを繋がしてもらおうと思ったがやっぱり駄目だった。不安は的中した。 「さぁ、日本語が打てないパソコンでどうしようか」と思っていたら彼が日本の映画(たいした物は見れない)が見れるサイトに繋いでくれた。 他に出来ることも無いので7時間くらいかけて5本程映画をみた。特に会話をする訳でもないが彼のお陰で暇つぶしが出来た。 しかもお金は全て彼が払ってくれた。
それから昼飯を食べ駅へ。そして待合室で1時間ほど待ちようやく電車に乗ることが出来た。 しかし、まだまだ序章に過ぎない。これから硬座で14時間の移動である。
運よく僕らの向かい席にオランダ人が乗って来た。彼は中国語を勉強しながらバーを経営しているという。もう7年中国に住んでいるとの事だった。 お陰で英語でのコミュニケーションができ話し相手が出来た。その上中国語も話せたので中国人との旅友ともオランダ人経由で話が出来た。 これでなかなかの列車の旅が出来ると思ったがさすがに座席での移動には無理があった。
すでに眠れないバスでの12時間移動、列車待ちのネット屋で7時間と疲労が溜まっていたので座席でも寝れるかと思ったが無理だった。 ほぼ直角のシートのうえ幅が狭いのでろくに足も伸ばせない。 その上、座席にすら座れない人が通路にうじゃうじゃ。マナーを知らない現地人は煙草をスパスパ。 ゴミは通路に捨てる、タンも通路に吐くはで良くここまで汚せるなぁ〜というぐらい汚くなる。 一応、清掃係がいるので2回ぐらい掃除はしてくれたが・・・。
疲労は溜まるい一方なのに眠れない。ビールを飲んでも眠れない。何度時計を見ても30分も進んでいない。 そうこうしているうちに疲労が限界に達したのか残り3時間程のところで僕は落ちた。寝れたのだ。
成都駅まじかになって僕は起こされた。「もうすぐ成都駅だ」と。
その言葉を聞いて僕はほっとした。心の底から嬉しかった。
そしてもう硬座での長期移動はごめんだと心から思った。


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