世界一周せきらら!?日記〜本編〜
時代は流れて
のどかな田舎町を想像していた僕はバスを降りてちょっとビックリ!! パスタにピザにハンバーガーなどを売るレストランにプールバーやレゲエバー、ここは完全にファラン(タイ人が西洋人のことをこう呼ぶ)の町だった。
確かにパーイ川沿いにはバンガローが並び牧歌的な風景を背にのんびりと過せそうだが・・・。
どこに行ってもお馴染みのナイトマーケット、正直見飽きてるんだけどこの小さな町パーイは2時間あれば一周できるくらいなのでブラブラと歩いてみた。 不思議なことに小洒落た感じのアーチスティックな店が並び驚かされた。それ故にか値段も高い!! もはやバックパッカーの地ではないのでは??と思いつつ、そういえばバンコクのカオサンでのバックパックを担いでいるファランを思いだす。 彼らはレストランやバーでガンガン酒を飲んでいる。つまり、バックパッカー=貧乏旅行者ではない。 タイ北部の小さな町でも音楽を聴きながらハンバーガーを片手にビールを流し込み、パスタに合わせてワインを飲む。 僕が勝手に小さなのんびりとした山間の田舎町を想像してただけで、ウエスタンナイズされたこの町もバックパッカーの憩いの地なのである。
出費を抑えたい僕は相変らずタイフード屋台か食堂で飯を食べコンビニで一番安いビールを買う。 レストランやバーに比べると見劣りはするが僕なりに十分贅沢をしているのだ。
非日常が日常に変わり旅行者である僕が何もしない日々を送ることに不安を覚えていたが、何もしない事も旅の醍醐味でもある。 ファランが大好きなハンバーガーを食べるように 僕も大好きなフライドチキンを食べ何もしないでのんびりと過す。無理して観光する必要などないのだ。 何も無いこの小さな町では何もしないで過せばいい。それを教えられた気がする。
彼らはもともとミャンマーからの難民らしく、タイの観光業者やカレン族のミャンマー反政府組織がかかわっているそうだ。 つまり、タイで安住の地を手入れると同時に多くの観光客が訪れるため永い間見世物的な生活を強いられいる。 もはや昔テレビで見た笑顔一杯のカレン族ではないようだ。
恐る恐る向ったカレン族の村は少しばかり荒れ果てた感があった。噂どおりあまり愛想も良くないっていうか覇気がない。 まぁ毎日が40度近くになるので仕方が無いのかも。
それでも初めて首長族を見た僕は少しばかり興奮し感動した。 全く文化の違う貴重な民族に出会い嬉しく思った僕はやはりその姿をカメラに収めたくて挨拶したり話しかけたりして承諾を得て写真を撮った。 最初の印象ほど無愛想でもなく安心した。
ただ、そんな喜びもすぐさま打ち砕かれた。村を少しばかり入っていくと子供達が談話をしてるのが見えた。 しかし、その子供達はもはや首輪をつけることなく普通の服を着ていた。「首輪をつけるのは嫌いだ」と言っていた。 ある子供はポテトチップスを食べチョコレートを食べていた。向こうでは携帯電話でしきりに話をしてた。 こっちの家ではラジオを聞きながら機織りをしていた。ある家にはアイドルのポスターが貼ってあった。 彼らも時代の流れには逆らえないのだろう。
下段にある集合写真は数年前のもののようだ。おそらく観光客向けに撮ったのであろう。 普段多くの人が首輪をせず民族衣装も着ていない。実際大き目の首輪の実物を持たせてもらったが真鍮製でとても重い。 5kgくらいあるらしい。正直これを着け続けるのは大変だし子供達が嫌がるのも理解出来る。
中には伝統を守ろうという想いからか親の強制からなのか分からないが首輪をつけてる若手のホープもいた。 10年後、20年後もこの村が首長族の村であってほしいと思うのは観光客の勝手な願いである。